こんにちは。
今日は歯周病でお悩みの方に知っていただきたいもう一つの視点というテーマでお話しします。
突然ですが、『ピロリ菌』てご存知ですか?
実は「歯周病」と『ピロリ菌感染』は密接に関係しているんです。
ピロリ菌とは何か?
ピロリ菌(Helicobacter pylori)は、胃の粘膜に住み着くらせん状の細菌で、
強い酸性環境でも生き延びられる特殊な性質を持っています。
感染経路は、主に口から口への経口感染。
特に幼少期の家庭内感染(親から子)が大半と言われています。
ピロリ菌に感染していると、胃炎・胃潰瘍・胃がんのリスクが高まります。
特に日本人に感染しているピロリ菌は毒性が強いタイプであることが多く、
胃がんの原因の90%はピロリ菌だとも言われています。

実は多い「ピロリ菌感染者」
驚くべきことに、
日本人のピロリ菌感染率は約35〜50%(年代によっては60%以上)にも上る
と言われています(日本ヘリコバクター学会より)。
また、口腔内にもプラーク(歯垢)の中に潜んでいるとも言われています。
当院で血液検査をおすすめした患者さんも、約半数の方がピロリ菌に感染していました。
つまりこれは、「自分には関係ない」とは言い切れない話なんです。
ピロリ菌と歯周病の関係性
ある研究によると、歯周病のある人の約60〜90%でピロリ菌が検出されたという報告もあり、
ピロリ菌が歯周病を悪化させる可能性が指摘されています。
さらに、胃のピロリ菌除菌を行った人が再感染するケースの多くは、実は口の中が感染源になっているという報告も。
では何故、胃に影響を及ぼすピロリ菌が、口の病気である歯周病に関係するのか?
ピロリ菌自体が歯周病を引き起こすわけではありません。
ピロリ菌感染によってもたらされる体への悪影響が、お口にも影響しているということなんです。
ピロリ菌が歯茎の治癒力を低下させる!?
ピロリ菌は胃の中の過酷な環境に対し、胃酸から自分の身を守るためにウレアーゼという酵素を出して胃酸を中和してしまいます。
胃酸は私たちの食物の消化にとってなくてはならないものです。
胃酸は特にタンパク質の消化吸収に大きく寄与しているため、胃酸が出ていなければ
タンパク質などの食事の栄養が適切に体に取り込まれなくなります。
するとどうなるか?
歯茎は何でできているでしょうか?
そう、タンパク質です。
つまり、体に十分なタンパク質がなければ、例えブラッシングでプラークを落とし、
歯周病が治る条件を外から整えたとしても、
歯茎の材料不足で治るものも治らないということなんです!
そのほかにも、胃酸の低下からくるタンパク質不足やミネラル不足により、
免疫力の低下や胃炎が全身に飛び火して歯茎の炎症も起きやすくしてしまいます。
歯周病で気づく体の異常事態
ピロリ菌と聞くと「胃の病気」のイメージが強いですが、
実はお口の健康、歯周病にも深く関係しています。
胃と口、そして全身はすべてつながっていることがよくわかりますね。
今では、僕の中学生の娘も学校でピロリ菌の検査を受けていて、そういう時代になっています。
それだけピロリ菌の問題は根が深いということですね。
「歯周病がなかなか治らない…」
「歯周病で歯を失いつつある」
そんな人は、一度ピロリ菌感染を疑って、検査を検討してください。
自分は除菌したことがある、という人も再感染の可能性もあるので、
除菌後しばらく経っているなら、再検査を考えてもいいかもしれません。
ピロリ菌の感染がわかったら、除菌療法や栄養摂取を通じて歯周病も改善してくる可能性もありそうです!

