先日の虫歯予防に関しての記事の補足です。
なぜ脂溶性ビタミンで虫歯予防できるのか?
それは『歯の再生力』に秘密があります。
人の歯は虫歯になった部分が再生される『再石灰化』という働きを受けています。
その働きは唾液によってもたらされます。
歯はリンやカルシウムなどのミネラルで構成されていますが、再石灰化は唾液中に含まれるリンやカルシウムが歯に沈着して再生させる働きのことを言います。
ただ、この再石灰化の能力や唾液中のミネラル量には個人差があるため、虫歯になりやすい人、なりにくい人がいると考えられます。
その再石灰化や唾液中のミネラルを調整してくれるのが、脂溶性ビタミンなのです。
特に重要なのがビタミンDとK(K2)で、体内のカルシウムの働きにも関与しているので、骨の健康にも寄与します。
その他のビタミンやマグネシウムはビタミンDやK2の働きを補佐します。
昔、ウエストン・A・プライスという歯科医師が、世界中の虫歯のない先住民族を調べ、その秘密に迫った研究があります。
その研究によると、先住民族は昔からの自然で伝統的な食事、野生動物の肉やその乳、植物などを食べていました。
そういう食事をしていた民族は、歯磨きをしていないにも関わらず虫歯はほとんど無かったそうです。
対して、近代的な食事が輸入され加工品などを食べるようになった民族は、虫歯や歯列不正が大発生していたといいます。
虫歯のない民族の伝統的な食事には、現代の加工食品にほとんど含まれていない脂溶性ビタミンが大量に含まれており、
それが虫歯に対する免疫力を高めていたことがわかったのです。
現代の日本に生きている限り、そんな先住民の食事はできませんが、
重要な栄養素をターゲットに食事を工夫し、砂糖や加工食品を減らすことで
フッ素などの薬に頼らず、虫歯の根本的な予防が可能ということです。